贈り物

今日は帰りしなに、甥っ子へのクリスマスプレゼントを買うために京阪モールに寄った。普段なら梅田のキティランドであるが、今日はあまり時間もなかったので、京橋にしたのである。京橋にあるおもちゃ屋の場所を知らないので、紀伊国屋書店で絵本でも探す事にした。

絵本のコーナーはそんなに大きくも無いが、数はまあまあある。なかには題名など全く忘れてしまったが、陽気なモグラがガラクタを集めて、ぜんまいで動く自動車を作る話の本があった。むしょうに懐かしくなった。この話は大好きだった。何歳の頃だろうか。ガラクタがぜんまい仕掛けの自動車(なぜかキャデラックの!!)に仕上がって行く過程の所がなぜか非常に好きだった。その近くには「ぐりとぐら」の本、これも小さい頃によく読んだ気がする。甥っ子は電車が好きだ。どのプレゼントが良いかを考えながら、そう言えば昔はプラレールなら私も好きだった、などと思い出す。そう思い、電車の図鑑はどうかと思い、裏手の棚の図鑑も見てみる。そう言えば、昔「光のくに」という出版社の幼稚園でもらった図鑑は12巻でそれぞれ、一年の12ヶ月に対応して、その季節の風物を教えてくれた。あれも大好きだった。三月の図鑑で最終刊だけど、冬が終りこれから春が来る事を期待を持たせるような図面で教えてくれた。何がしか新しい何かが続きにある。そんなわくわくさせてくれた本だったような気がする。
そうして読んだり、遊んだ記憶と言うのは割りと鮮明に残っているが、いつ無くなったのか、捨ててしまったのか。その部分はなぜかほとんど覚えていない。そう言えば買ってもらうなりした時のこともだ。学校か地域の図書館で読んだのか、買ってもらって自分で持っていたのかも定かでない。なぜだろう。いつの間にかそうした絵本とかはなくなっていて、少しづつ大きくなって、興味の対象も変ってきて、子供である事から前に進むのに夢中になって、友達づきあいが忙しくなって、学校の勉強も量が増えて・・・・、本当に知らない間に無くなっていた。少なくとも嫌がったという記憶はまるで無い。本当に忘れるように捨て去ったのだろうか。子供の頃と言うのは、何がしか前しか向いていないようなところがあると思う。考えてみれば当たり前か。

そう思うと、少し無常を感じるな。甥っ子も今日選んだプレゼントを喜んでくれるだろうが、いずれは成長するにつれ、忘れて、消えて、捨ててしまうのか。・・・・・・

けど、そんな事はどうでもいい事じゃないか。いつだったかは忘れた、6,7歳の頃か、私もクリスマスプレゼントに「良寛さん」という本をもらった事はまだかすかに思い出すことが出来る。もらった時に嬉しかった事も。いつ無くしたかは完全に忘れたが。彼にとっては今が一番大切なんだし、彼も大人になって、断片的な記憶をたどって、もし昔を懐かしむことがあるだろう。難しい事を考えるのは止めにしようか。今喜んでくれればそれ良いか。

とりあえず、品を選んで、カウンタでクリスマスプレゼントの包装と配送をお願いした。そう言えば最近、顔を見ていない。子供の成長は早い物だし、次に合うときはどう成長しているだろうか。彼ももうすぐお兄ちゃんだ。そうか、来年は二品に増えるわけだ。

リングカード・ABC