サボテンの気持ち(その2)。

以前、植物が人の気持ちに反応することについて記事にした。そう言えば昨年の11月ごろか、家に有った観葉植物がバタバタ弱っていった。以前は母親が育てていたが、病を得てから、そんな事もうどうでも良くなったみたいで、まるで無関心に為ってしまった。そうした心境の変化に察したのだろうか。私が水をやったりするようになったが慣れないせいもあり、枯れてしまったものもある。

つい先日、久々に食卓のサボテンの鉢に花が咲いた。弱っている葉もあり、あまり元気だとはいえないが、それ故に懸命にきれいな花を咲かせてくれたと思う。少し嬉しかった。

そう言えば、華は忍辱を象徴するそうだ。仏教の方では華を仏前に添えるのはいつか大きく花を咲かせる事を目指して、つらい事にも耐えて行こうという気持ちを保つためだそうな。*1 このサボテンも蕾を出すまでは、じっと耐えている事の方が多かったのだろう。枯れて葉の欠けた所もあるが、弱りながらも華を咲かせた卓上のサボテンに、そんな事を思い出した。

*1:仏教で言う六波羅密の一つである。特に密教系の寺院では祭壇の供物に六波羅蜜(菩薩・仏に至る心のあり方)を対応させて意味付けしている。残りの5つは、線香:精進、塗香持戒、灯明:智慧、閼伽:布施、飲食:禅定となる。