[考え] 新型戦争。

2001.9.11 以降、アメリカは対国家ではなく、アルカイダのような憎悪と悪意によって繋がったネットワーク型の組織との戦争に入ったと言われる。
今回の中国での反日暴動。歴史に准えるなら「義和団の乱」に近いものを感じる。天安門事件では、結局天安門に集結した事が民主化運動の命取りとなった。*1今回はその時の反省からだろうか。情報交換をインターネットで行いながら分散して行動するアルカイダ型のネットワーク組織による実験的な活動のように見える。「愛国無罪」と掲げているが、愛国の部分は決して中国共産党に対するものではないと思う。
21世紀の戦争は国家間の戦争は徐々に減少し、国家対ネットワーク型組織の物にとって替るという論説を読んだ事がある。アメリカ対アルカイダの戦争はどこか対岸の火事のような気もしていた。今回は対岸と言っても川幅は近所の川程度であろうか。中国共産党による一党支配も案外ともろい形で崩れていくような気がする。*2ただ戦争相手のネットワーク型組織はまだその姿を見せていない。彼らの憎悪の対象には多分に日本も入っている事を注意する必要がある。日本(企業や製品)が経済的勝利者の象徴となっている現状があるからだ。今の学生中心の反日運動は日本の高度成長期における全共闘のような所があるし、そのうち沈静化するだろう。*3しかし経済格差による貧困や経済発展に伴う環境破壊(公害問題)*4 から生じる憎悪の念は容易には消えない。生き死にが掛かっているからだ。

*1:集合してしまえば弾圧も簡単である。

*2:いかんせん、「中央方策、地方対策」のお国柄である。地方組織の見切りは早い。

*3:今の反日運動がエリート予備軍でもある学生達によって動いている事に注意。ある意味、日本製品不買運動は一般消費者の支持を却って失う可能性もある。あと彼らが「ドラえもん」や「ドラゴンボール」の排斥運動でもやらかすのならかなりの筋金入りだと思う。がそこまでは出来まい。

*4:あまり報道されないが、今の中国には第二、第三の水俣が生じつつある。