受賞を祝す。

昨年公開されたアニメ版の「時をかける少女」が日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞を受賞した。

その他、数多くの賞を得ているが、それらを含めて素直に祝したい。ここ5年の間で、唯一映画館で見た映画だった。アニメだとか関係なく、良い作品だったと思う。大阪ではミニシアターのテアトル梅田でしか上映されておらず、知名度低かったかもしれないが、珍しく3回も見に行ってしまった。

そう、感動を消費するための商品としての映画ではなく、大切な何か伝えるための入魂の一作だったと思う。最初に見たのは、何となくテアトル梅田のポスターを見て、ちょうど時間があったからであった。何の先入観も予備知識も無かったが、見終わった後に強烈なカタルシスを覚えたの今でもよく覚えている。映画の終わり、奥華子の主題歌に乗って、回想シーンと共に映し出されているスタッフロールを、ほとんどの観客が誰も立たずにじっと静かに見つめていたが、非常に印象的だった。

繊細な心も、永遠の別れも、不確実な未来に対する不安感も、全てを包んで昇華するようなその物語は、内向きに気持ちを閉ざしがちな、私に何か大切で忘れ変えていた気持ちを呼び覚ましてくれたような気がする。

なにわともあれ、関係者、スタッフ一同の皆様、おめでとうございます。良い作品を本当にありがとうございました。