聖戦(ジハード)

2007/7/29 19:35 AFC Asian Cup 2007 Final
Gelora Bung Karno Stadium, Jakarta, IDN
イラク 1 - 0 FT サウジアラビア
Younis Mahmoud 71

公式 Web Siteより
http://www.afcasiancup.com/jp/tournament/fixtures.asp

明日の新聞を見れば十分だろうと思っていたので、選挙速報は見なかった。
日本が4位に沈んだサッカーのアジア杯の決勝を NHK BS2 でやっていたが非常にスリリングな展開で面白かった。今回はイラクを応援した。

  • 政情不安定で、とてもサッカーが落ち着いて出来る状況ではなく、国内で地域リーグが3つに別れて細々と開催されていたこと。
  • 代表チームは結成してみたものの、国内で集まって一度も練習できなかったこと。
  • 予選から今日までの期間内でも、親族をテロで失ったメンバーがいる状況をキャプテンが嘆いていたこと。
  • 母国では、決勝進出を祝う群衆に対してもテロが発生したこと。
  • それでも「俺たちの国では戦いが続いている。しかし俺たちは母国の希望のためにピッチで戦い続ける。」メンバー全員がその気持ちで、試合に臨んでいたこと。

準決勝の韓国−日本戦と違い、両国の選手とも最後まで相手を振り切って、精力的に攻めようとしていた。多分、日本が準決勝で勝ちあがっていたとしても、この連中には勝てなかったと思う。

恵まれた環境が、綿密な準備が、必ずしも有利に働くわけではない。不利な状況も、準備不足も、連携の悪さも、最後は使命感を支えに気迫で押し切った感じだった。

試合後、感極まってピッチで体を伏せて、イスラム式の礼拝を行っている選手がいた。イスラムの言葉にジハード(聖戦)という言葉がある。最近はテロリストに誤用・悪用されて随分イメージが下がってしまったが、本来ジハードとは、今回のアジア杯で、イラクの代表選手たちが勝ち抜いた戦いのことをさすのだと思う。

かのイラクに一日も早く、今日の祝杯と同様に希望が見える日が来ますように。