[こころ] 瞑想における過渡期について

Hiroette さんの瞑想ブログ*1を見てつれづれなるままに。

瞑想を始めると人によって、様々な幻聴や幻覚が見える場合があります。理由ははっきりしないのですが、比較的よく起こるみたいです。(起こらない人も居ますが)多分に感覚が敏感になったり、表面意識と潜在意識や深層意識のバランスが一時的に狂ってしまうためかなと思います。普段は表に出てくる事のない潜在意識や深層意識の一部が視覚的イメージや幻聴となって具現化するのでしょう。


ただこうした状況も瞑想に習熟するに従って自然と消えていくのが普通です。逆にいつまでもこうした状況が続くのは習熟が足踏みしている証拠であり、あまり感心できません。考えてみれば解りますが、要は潜在意識や深層意識の混沌に受動的に流されているだけであり、そこにはあまり創造的なものは含まれていないと思います。目の前に空中に浮かぶ目玉のお化けが出ようとも、訳の解らない笑い声が響こうとも、バイオハザードチックな世界に投げ込まれようとも*2 それは所詮、白昼夢であり、そこに囚われてしまっては前に進みません。

こうした体験によって神や仏や宇宙人の幻覚に有った人がこれを飛躍や超越と勘違いして自分が神の使いか何か偉い人になったように思う場合がままあります。しかし、傍から見ると単なる現実逃避でしかなく、昔から禅の方ではこれを野弧禅といって、初心者の陥る過ちの一つとして挙げています。*3

前に 「瞑想には集中と拡大がある」と書きましたが、こうした白昼夢から脱出する際には拡大の瞑想が重要になってきます。潜在意識や深層意識のコントロールなんて、名人レベルに成らないと出来ない事です。しかし潜在意識や深層意識の不必要な影響をさらりと交わす事はそれに比べればそう難しくありません。拡大の瞑想で思考の対象を広げて移していく事で、さらりさらりと回避していけば良いのです。慣れればそのうち自然に出来ます。*4

あと、これは個人差が非常に大きいので誤解も受けやすいのですが、潜在意識や深層意識というのは非常に混沌とした世界だと思います。その影響も様々な物があります。ですので無用意に扱うと手痛くやけどを負う場合もあります。例えが悪いかもしれませんが、リストカットをする人の場合を考えてみてください。理性的で冷静な部分で手首を切る人はまず無いと思います。大抵は心の奥底からの衝動的なものに突き動かされてきってしまうはずです。これは潜在意識や深層意識の心の傷(トラウマ)の爆発の場合も多いと思います。こうしたトラウマを持った人の深層意識の影響は往々にして自傷的になるケースがありますが、こうした人が瞑想を始めて、白昼夢の影響に囚われてしまったら・・・ かなり怖いと思います。*5 ですので、神秘的な何かを求めて、あまり瞑想を通じて深層意識とかに無用意に降りていくのは止めた方が無難だと思います。

呼吸法が瞑想において重要ことの説明も合わせてすれば、より良いのでしょうが長くなるのでまたの機会にします。ご参考までに。







*1:http://blog.drecom.jp/meisou/archive/41

*2:自分の体験に基づいて言うなら

*3:ちなみに私の師匠筋の人はこれを魔境と呼んでいます。理由については後述

*4:具体的な方法については長くなるのでまたの機会にしたいと思います。

*5:先に私の師匠筋の人がこの境遇を「魔境」と呼んだのはこの辺の危険性のためです。