使用事例(Use Case)

最近買った読んだソフトウェア工学の本*1にこんな記述があった。 UML でよく使われるユースケース分析に関する説明のところである。

ユースケース(use case)とは、利用者がシステムを使うときの典型的なシナリオをシステムへの要求を明確化する目的で記述した物である。(「ユースケース」などと呼ばずに、使用事例とでもいえばよさそうなものだが、そのまま広く使われてしまったので、ここではそれに従う)

use case、確かに「利用事例」、「使用事例」である。
元々 UseCase 図自体は軽めの図表だし、比較的簡単な概念なのでちゃんと日本語に直して表現した方が、概念的にもぴったりくるとように思える。例えばこのページを見るとタイトルに Use Case という言葉が出てくるが、いわいる UMLユースケース図が出てくるわけでもない。単なる RDF data の利用想定事例が列挙してあるだけだ。UML で「ユースケース」とか変にカタカナで表現してしまうと何か特別な語感、意味がありそうにさせるかもしれない。意味を解釈する自由度が高くなるので、本来の UML の目的である関係者間のシステム認識に対するコミュニケーションを支援すると言う目的に反するとも考えられる。大げさであろうか。やはり「使用事例」ぐらいな方が私も良いように思える。

何気なく書いてあるユースケースの定義であるが、簡潔にユースケースの意味を説明していると思う。しかも外していない。これは実は非常に難しい事だと思う。この本の著者の非凡さが伺える。あまり目立たないであるが、このような本には好感が持てる。そのうち書評でも書いてみようか。