[つれづれ] 白昼夢

だれと話をしているのだろうか。

血まみれの顔と対面しながら、こう耳にささやかれた。
「ばらばらになった私の体を抱き寄せて、元に戻して欲しい。お願いだから・・・」
女の人の声だった。・・・・

怖くは無かった。しかしそれだけの優しさが自分にあるかと思うとそっちの方がなぜか恐ろしかった。

目が覚めた。会社の昼休み、昼寝時に見る夢にしては少し重い。

昔、奈良時代かその辺りに、慈悲深い皇后がいて、貧者に施すために施設をつくり、自らもそこで働いていたそうな。ある日、全身から膿を出しながら這うように歩いてきた瀕死の重病人が施設に来た。誰も怖がって近寄らない。皇后は勇気を出してその病人に近づき、自らその病人の膿を吸出し、身を洗い、介抱したそうだ。
そうするとたちまちその病人は観世音菩薩となって天に舞い上がり、吸い出した膿を捨てた所から、清らかな泉が湧きで出でて、その水を飲む者は病がたちどころに癒えたそうな。

そんな話を思い出した。

思うに、高貴とか気品が高いと言うのは結局、その人の勇気や慈悲深さ、思慮深さによると思う。自分もそうありたいと思うが、何が足りないのか。わかってはいるが言葉にならない。

次に夢の中で合う時には、どのような態度を取ればよいのだろうか。