東風(こち)

今朝、昨日に比べるとやけに気温が高いので、それを母親に話しをすると
「そうや、東風(こち)が吹いていたんや。東の風って書いて『こち』っていうんや」
、そんな事を言っていた。もうそんな季節か。

少し雨にぬれているせいだろうか、櫻の枝はまだまとわぬ桜色の花びらを内に秘めつつ、その細い線を蠢くように、曇った空に伸ばしているようだ。春の訪れは往々にして荒々しいところがある。もうすぐ冬の終り。しかし少し不安と動揺を覚える。季節のせいだろうか。