無為無策(その2)

本当に何も出来ない事もある。当事者が一番つらい状態であるのは冷静に考えればすぐわかる事である。自分には相手に対して何も出来ない、やっても意味が無い事もある。結局、自分自身の問題なんだろうと思う。動かない事、冷静になること、信じる事、そして祈る事。これぐらいしか今の自分には出来ないと思う。居る事だけが支えになる事もある。今は平静に過ごす事が一番大切なんだ。
天を仰げば、秋の空。
雲の合間に、突き抜ける青
もしあの青に落ちていけば、その行き先はどこなんだろうか。
何事の無かったように、雲は流れ、日は傾いて行く。

「国敗れて、山河ありか。」・・・・・・・

昔、占星術で運勢を見ていた時に、相当運の悪い人も何人かいた。大抵色々と今までの不幸とこれからの不安を語り、それをじーと聞いていた。二、三点、簡単なアドバイスを行った後で、相手をじっと見て

「明けない夜ってないんですよ。」

そういって笑顔で送り出すよう心がけていたと思う。相手の雰囲気に巻き込まれては話にならない。この手の占段は時間も掛かる。こちらの平静なペースを保つようにしていたと思う。今、その時の言葉で反芻しながら、自分自身に呼びかけている。誰が誰に呼びかけているのか。記憶をたどれば、時間に沿って自分は無限に存在するんじゃないのか。*1

そんな事を考えてみた。・・・・・

*1:仏教では唯識か中論でそんな事を論議していたような。