聞き上手

いつも読んでいる眞鍋かをり嬢のブログに、少し前に彼女が自分のブログについて考えている事を書いていた。読んでみていろいろと参考になるし、ちょうど自分が最近考えていることに、色々とヒントを与えてくれたと思う。以下、彼女の記事への所感を述べながら、つれづれなるままに、つづってみたい。

・かをりさんへ。

色々と大変ですね。

かをりさんのブログって、他の人も書いているように、等身大のかをりさん自身を素直に表現していて、読んでいて非常に面白いんですよね。そうですね。ちょっとヲタが入っていますが、「さくらももこ」のエッセーやそんな感じでしょうか。しかし読んでいて、少し「この子、大丈夫かな」と思うことも有りました。何ていうんでしょうか。トラバの数も日本記録に行くぐらい半端じゃないし、多分に律儀にも全部目を通そうとしているんですよね。励みになると同時に大変だなと思う部分もあります。要は日常を素直につづった内容にしては、ちょっとあまりにもその影響が日常を大きく超えてしまっているって部分で、ギャップが有るんじゃないかって。以下、本文を引用させていただきます。

そもそも昨年の6月にブログを始めるに当たり、事務所やニフティの方と
「こういう方向のブログにしてはどうか」
などと軽く打ち合わせはしたのですが、いざ書き始めるととにかく楽しくて仕方がなく、
他の誰にも支配されることのない自分だけのツールにするのだ!

その日常のつづり方も「他の誰にも支配されることのない自分だけのツールにするのだ。」と書いているぐらい、自分の個人的な生活の視点に徹底していますよね。その辺が非凡だと思います。*1だいいち、他のブログと違って、かをりさんのブログにはリンクが無いんです。*2沢山の注目が集まっているにも関わらず、他のサイトやブログの事について取り上げる事はあっても、リンクは張っていない。なんか他の人の関心や注目を集めるだけ集めておいて自分で全部抱え込んでしまっているような印象を覚えてしまうんですね。なんか、徐々に疲れてしまってしまいそうで。

しかし、自分のブログがここまで大きな反響をいただいていることに違和感を覚えることもあります。

私のような「意見」のないブログがこのような評価を受けていてもいいものかと。

そう言う意味で、今回の記事を読んで安心しました。ちゃんと色々考えているんだって。無自覚のまま、あの調子で突き進んだら、後で糸が切れた凧のように、急にコントロールが利かなくなる可能性だってありますしね。

それは多分、私が自分の周りにいる「熱い人たち」(自分の力で自分以外のものをプラスに変えたいと頑張っている人たち)に対して尊敬の念を強く抱き、反面自分の無力さを実感しているからかもしれません。

そもそも私は根っからの個人主義
自分の意見を他人が受け入れることを期待しない。
他人の間違いを正さない。
いや、間違いだと決めつけて正そうとするほど自分を肯定していないのですね。

ただ、自身の学歴なども重なって、著名人として、メディアに出でいる分、色々と注目されるし、公の事に対して意見を求められる部分もあるでしょう。(例えば、1月末に地元であったこのイベントとか)仕事を通じての経験から色々と考える事も有るでしょう。けど、その辺を載せないのは、やはり立場を考慮したり、周囲に気遣っている部分も多いんでしょうね。色々な逆に素直な気持ちで日常を載せているその裏に、書かれていない事も色々有りそうかなと感じます。ブロガーとして「他の誰にも支配されることのない自分だけのツール」としてブログを使う事は出来ても、不特定多数に発信される分、やはり社会的な条件(かをりさんの言葉でいうと「常識」かな)などに制約されてしまうんでしょうね。本当は「Chronicle」なはずなのにね。しかもかをりさんの場合「誰にも支配されること」を指向している分、自分でルールを決めて、自分で律していくしかないわけで、自制心が要求されると思うんです。そう言う意味で、かをりさんはえらいと思いますよ。引用前後しますが

ただ私はまだ小娘なので、自分の名前と顔に責任を持ってエラそうなことは書けないってだけ。

ただそうした、BLOG のようなメディアを使う難しさは、世間全体でみても試行錯誤な状況だと思います。例えば情報収集・発信のプロであるはずの新聞記者ですら、BLOG での発信で暴走して、つぶれてしまうケースだって多々有るんですから。彼らが既存のやり方で情報発信する場合は、必ず出版元で編集、校正がかかり、ある程度元の内容から修正された形で発信されます。編集を経ないで記事を載せれるのは、本当にベテランの記者になり、記名でないと無理な話です。かをりさん曰く「他のメディアと違って何の演出も受けないこのツール」では、自分の素の意見を載せる事のリスクを回避するために、大抵の人は「匿名」という手段を使います。それ故に、他人の目を意識しなくなり、「間違いだと決めつけて正そう」とさらに暴走してしまうんですが。自分の発言に責任持たなくても良いってある意味、すごく楽ですし、素の部分が顕に出てしまいます。私だって、匿名です。知っている人は知っているけどって感じです。その方が周りを気にしなくてもいいので、素直に自分を表現できると思ったからです。実名で自分自身で情報を発信しているかをりさんに比べて卑怯なのかな。うーん、この辺の判断は難しいですね。

もし明らかに相手の間違いだと確信しても、
熱意を持って説得するほどの愛情をかけられない相手には意見しないし、
大切に思う人には、その人なりに色々思い悩んで最終的にたくさんの引き出しを増やした上で間違いを正してほしいと思うので、あくまでも「自分の経験から感じること」としてしか話をしません。

しかしながら、そうした態度って非常に大切だと思いますよ。世の中には上に述べたかをりさんのような態度を切に要求される職業もあるぐらいですし、何だと思いますか。(・_・?)
以下に最近読んだ本から引用してみます。

新米のカウンセラーほど、何かをしてあげたくてサービス過剰になり、最終的には相談者の自己解決をさまたげたてしまいがちです。一方、名人級のカウンセラーになると、それこそ聞くこと以外は何もしません。それが結果的には、相談者にとっていちばん役に立っているんです。聞くこと以外に何もしていないのに、不思議なことに「カウンセラーは何もしてくれない」などと相談者は言いませんし、感じません。本当は何もしていないのではなく、最大の心のケアをしているからです。聞くことが最大のケアとなるような聞き方をしているからです。

プロカウンセラーの聞く技術』 東山 紘久 創玄社 2000年 P63(他人のことはできない) より引用

教えるより、教えてもらう態度が我々に必要なのは「その人の心は、その人しか分からない」からです。

同書 P95(教えるよりも教えてもらう態度で) より引用

そう、心理カウンセラーなんです。
かをりさんの日常生活って、正直 blog に書かれている事でしか分からないのですが、たまに友達から「別にそんなに大したことしていないのに、なんでこんなに感謝されるんだろう。」って思うこと有りませんか。不思議なもので、何もしないで素直に相手に接するだけの方がかえって相手にはありがたいんですよね。自己主張を持つことは確かに大切なんですが、「自分のことは自分のこと」「相手のことは相手のこと」と自他の区別をちゃんとつけていく事もまた大切な事だと思いますし。かをりさんはその辺をちゃんと弁えていますよね。

他のメディアと違って何の演出も受けないこのツールの中では、100%に近く正直でありたいなと思って今回この記事を書いてみました。

長くなってしまいましたが、要は

「これからも感じたことを誰にも迷惑かけず気楽に書かせてもらいたいっす」
ってことです。

そして、世の中の役に立つブログ作ってる人、ガンバレ!!

そうですね。先に述べたことにからんで思うのですが、かをりさんの BLOG がこれだけの多くの反響をよぶのは、やはり「100%に近く正直でありたいな」だからでしょうね。以下、先に上げた本にちょうどその辺を上手に説明してますんで、引用します。

オープンだというのは、相手に偏見を持たずに素直に受け入れると言うことで、あなたがどのような話をしても、「あなたがそう思っているのならあなたにとってはそうなんでしょう」と受け入れてくれる性格です。このような性格なら話しやすいでしょう。
オープンな人は自分を飾りません。そのままの自分をさらしてくれています。これが人に安心感を与えるのです。

プロカウンセラーの聞く技術』 東山 紘久 創玄社 2000年 P121(うそはつかない、飾らない(オープンということ)) より引用

だから、みんな安心して、かをりさんの BLOG にトラバするんだと思います。少なくともかをりさんの BLOG があるからこそ、BLOG を始めて、トラバにチャレンジした人は数知れずでしょうしね。実際に身も知らずの他の人の BLOG にトラバするときってけっこう気を使うもんですよ。そして「世の中の役に立つブログ作ってる人」がいれば、それを「その意見を肯定的に受けとめる人」も必要でしょうしね。自覚していないかもしれないですが、BLOG を通じて自己主張する代りに、多くの人に、語り、繋ぐ勇気を与えている分、かをりさんは違った観点から「世の中の役に立つブログ作ってる人」だと思います。というわけで

ガンバレ!! ※q(^‐^*)/※ファイトォオオ!!※\(*^‐^)p※ チアガール♪

P.S.:
サンボマスター、今まで、知らなかったのですが、たまたま Tsutaya に行ったら中古販売用のワゴンの中にシングルCD がありました。カバーにヒビがあり、7泊8日OKとかシールはっていますが、値札 50円。速攻、入手。聞いてみました。なんか、前に聞いたバンドではガガガSP みたい。あついですね。

*1:だからすぐに共感できるんですが。

*2:単に張り方を知らないって、いうだけならごめんなさい。